ベネッセ教育総合研究所
特集 コンペ型事業を考える
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【特色GP:レビュー】
前年度の課題を踏まえ審査体制を改善・強化
大学基準協会
 「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」は2004年度で2回目となる。選考の客観性と公平性をより高めるため、今回は審査体制を見直した。文部科学省から事業を委託されている(財)大学基準協会に、評価方法の改善点や今後の課題について聞いた。
応募が出そろってから審査委員を確定

 2004年度の「特色ある大学教育支援プログラム(特色GP)」の審査の流れは、基本的には03年度と同じだった。五つのテーマごとに設定される審査部会で採択候補を絞り込んだ後、総合評価部会で全体的な調整を行い、最終的に実施委員会で決定された。
 大きく変わったのは、実施スケジュールだ。03年度は公募要領の通知が6月下旬で、申請受け付けは7月30日から8月1日。審査期間は実質的に1カ月ほどしかなかった。04年度は公募要領の通知が2月27日、申請受け付けが4月12日から15日、採択結果の発表が7月30日だった。日程に余裕ができ、審査の体制や方法を改善することが可能になったという。
 最大のポイントは、応募状況を見てから審査体制を組むことができた点にある。03年度は日程の都合で、申請の受け付けが始まる前に、あらかじめ五つの審査部会の委員を決めておかなくてはならなかった。そのため、結果的に同じテーマで申請していた他大学の関係者が審査委員に入ってしまうケースもあった。大学基準協会大学評価・研究部主幹の工藤潤氏は、「当該案件の審査では退席してもらうなど、審査は厳正に行った」と振り返る。しかし、協会内外から審査の客観性や公正性に対する批判が寄せられた。
 審査に関わる委員の数も部会によって差があった。客観的に評価するため、1件の申請にできるだけ多くの委員が関わることにしていたが、実際には、審査部会によって、1件当たりの人数が4〜5人から10人以上まで差がついた。
 これらの課題を改善すべく、04年度は、申請締め切り後に審査体制を組む方式に改め、審査委員から利害関係者を排除したほか、審査に関わる委員の人数も部会間で公平にした。具体的には、申請1件に対して、大学は審査委員7人、ペーパーレフェリー3人の計10人、短大は審査委員11人、ペーパーレフェリー3人の計14人という体制で統一した。
 絶対評価を原則としているが、採択数は申請数の1割程度とされたため、最終的には相対評価にならざるを得ない。そこで、各テーマの中でも、さらに類似する分野ごとにグループ分けを行い、1人の審査委員ができるだけ同じ分野を評価するように振り分けた。


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