“名人芸”を学際的に研究
九州産業大学は福岡市東部に位置し、国際文化、経済、商(第一部・第二部)、経営、情報科学、工、芸術の8学部を有する総合大学だ。21世紀COEに採択された「柿右衛門様式陶芸研究センタープログラム」は、大学院の芸術、工学、経済学、国際文化の4研究科が共同で行う学際プロジェクトで、総合大学としての強みを生かしたものといえる。
柿右衛門様式陶芸は鮮やかな色絵を特徴とする磁器で、17世紀中期に現在の佐賀県有田で創始された。世界的にも評価が高く、ドイツの名窯・マイセン焼のルーツとしても知られる。
プログラムでは、その研究拠点として柿右衛門様式陶芸研究センターを設立し、
(1)意匠研究
(2)技法研究
(3)歴史研究・カリキュラム開発
の三つの機能を確立。門外不出の技法を含む名人芸の科学的解析や、世界で収蔵されている柿右衛門様式陶芸のデータベースの構築などを行う。
09年度には、COEの研究成果を基礎に専門職大学院も設置する予定だ。拠点リーダーの下村耕史芸術研究科長は、「将来は、人間国宝級の陶芸家や制作技法を熟知した研究者を育成したい」と抱負を語る。
|