ベネッセ教育総合研究所
高校改革のいま
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生徒のチャレンジ精神を学校の活性化に生かす

 受験機会の複数化により公立高校入試が一発勝負でなくなったため、安全志向の受験が減り学力的に難易度の高い高校に挑戦する生徒も増えている。高校側もそのような生徒を積極的に受け入れ、チャレンジ精神を学校の活性化に生かそうと考えるようになってきた。
 岐阜県立大垣北高校(※5)では特色化選抜の定員を上限の20%に設定している。
※5 定員数/普通科360人、04年度進学実績/国公立大学323人(現浪含む)
 入試では独自問題を課し、一般選抜の問題と比べて、論理的に考える力や記述する力を重視する内容となっている。また高校独自の取り組みとして「集団討論」を実施し、明確な考えを集団の中で表明できる力を測る。こうして合格した生徒たちは、部活動、総合的な学習、生徒会活動などでの積極性も際立っているという。
 静岡県では03年度入試から、「前期選抜」と「後期選抜」という名称で受験機会を複数化した。浜松南高校(※6)では、前期選抜の定員を普通科は全定員の約20%、理数科は約40%と設定。05年度は理数科は約50%に増やす予定だ。
※6 定員数/普通科360人、理数科/40人 04年度進学実績/国公立大学113人(現浪含む)
 面接と総合問題、志願理由書によって選抜する理数科では、求める生徒像を以下のように提示。「自然科学に強い興味関心を持ち、数学・理科の各教科に優れた能力適性を持つとともに、将来の進路希望として、大学の理系学部に進学し、研究者、技術者等として社会に貢献しようとする志を持つ者」。つまり前期選抜では、従来の知識中心の「受験学力」とは異なる能力を持っている生徒を求めていると考えられる。


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