ベネッセ教育総合研究所
教育力の時代
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履修目的を明確にした段階的システムが必要

 新学部の単独事業であるバイリンガル・ビジネスパーソン育成プログラムでは、1年次は全カリの英語カリキュラム(EGP=Eng−lish for General Purposes)を活用し、そこに学部独自の科目を積み上げる形を構想している。嘱託講師制度によるネイティブスピーカーの採用、独自の教材開発など全カリのシステムを踏襲している手法も少なくない。プログラム設置準備室の委員4人のうち、白石学部長を含む3人は全カリの英語教育の立ち上げメンバーでもあり、その実績とノウハウを基に今回の構想を打ち出したのだという。
 ただし、全カリの英語教育から専門教育へと橋渡しするには、単に英語による専門科目を配置するだけでは不十分だと、白石学部長は指摘する。「学内ですでにそういう試みは実施されていますが、うまくいっていないのが実情です。というのも、学生の履修目的がバラバラだからです。内容は何でもいいから英語力がつけばいいという学生もいれば、英語にはあまり関心がないが専門の内容は学びたいという学生もいて、結局、その多くが途中で脱落してしまう。ですから読む、聴く、書く、話すといった英語の運用能力を養う全カリの教育と英語での専門教育とをリンクさせるには、履修目的を明確にした段階的なシステムが必要と考えました」。
 プログラムではEGPと並行して、まず1年次後期から2年次前期にかけて「EAP=English for Academic Purposes(アカデミック英語)」を開講する。1年次に週1コマ設けられているEAP1では、英語で専門科目を学ぶことへの意識付けを行い、2年次前期には週3コマのEAP2で英語でのレポートの書き方やディスカッションの仕方、英語の論文の読み方などを習得させ、専門教育に入る準備を整える。EAPの授業は約35人の少人数クラスで行い、ネイティブの教員が担当する。


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