問題が山積する中、社会からの信頼回復が必要
高等教育を担う大学は、今様々な問題を抱えている。少子化による大学全入時代、学力低下・不登校等にみられる学生の質の低下。さらに、規制緩和など様々な制度改正による国立大学法人、専門職大学院、株式会社立大学の登場と、大学間競争の激化、経営困難校の出現という問題もある。
また一方で、一部の大学で起きている不祥事も深刻である。補助金不正受給事件やセクハラ・アカハラ(アカデミックハラスメント)、学生による不祥事、医療事故等が、大学に対する社会の信頼の低下を招いている。そんな中で、受験生が専門学校に流れているという指摘もある。
高等教育の質を担保するためには、まず大学が社会からの信頼を回復する必要がある。本稿では、大学が社会に対して責任を果たすために、何が必要かを考えてみたい。
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