ベネッセ教育総合研究所
キャリア教育再考
IPUコーポレーション
チーフディレクター
松高 政(まさし)
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キャリア教育再考

第7回 ブームに終わらせないために謙虚に地道に学生と向き合おう

寝かせず私語をさせない授業

 大学のキャリア教育に関わりたいという方々の集まりで、何度か話をする機会があった。参加者は、キャリアカウンセラー、企業人、NPO等で若年者の就業支援をしている方など様々である。若者が希望を持って社会に旅立つのを助けたいという熱い心意気に触れると、励まされる思いである。
 私もこれまで多くの大学で講師をしてきたので、その経験から話をした。もちろん自分もまだまだ至らない部分があるので、むしろ目指している、心がけている、という内容である。まず話したことは、授業であってもガイダンスであっても、とにかく「学生を寝かせない、私語をさせない、退出させない」ということである。この三つのことは、大学の授業の問題としてしばしば象徴的に語られてきたし、恐らくかなりの部分は今でもそうだろう。しかし、だからキャリアの授業でも仕方がない、ではいけないのである。
 キャリア教育は、これまでの大学教育では対応しきれない状況になってきたために導入されている。従って、キャリアの授業でも同じような状況であれば、これまでの授業の問題点を再生産するだけだ。大教室で一番後ろに座っている学生にも、こちらに顔を向けさせなくてはいけないのである。



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