総志願者数は小幅な減少

　05年度入試の受験者数は、約81万人であったと推計する。このうち、現役生は66.8万人で、浪人生は14.1万人を数える。この受験者数は04年度から約1.7万人減り、2.1％の減少率となる。また、センター試験の志願者数は56万9950人で04年度に比べて１万7400人少なく、減少率は３％となる。従って、どの大学でも志願者数は２〜３％程度の自然減を前提として、実際にはどう変動したか見る必要がある。
　別掲で示す通り、今回の集計で回答した私立大学は345校、集計人数は239万6128人だった（３月12日現在）。これは04年度の集計人数246万2351人と比べると６万6223人の減少。これを、04年度を100とした志願者指数で見ると97.3、減少率は2.7で、自然減程度にとどまったことがわかる。
　文科省の調査によると、国公立大学では4.9も減っている。国公立大学に比べれば、私立大学は04年度並みの人気を維持できたことになる。
　理由の一つは、センター試験の英語の平均点が116.18点で、04年度より13.93点も下がったことだろう。英語は文系理系を問わず必須科目であることが多いので、思ったほど点数が伸びなかった受験生を中心に、入試難易度の低い大学に志望を変更したり、私立大学への出願を増やす傾向にあったと考えられる。
　もう一つの理由として、05年は現行課程入試の最後の年であったことが挙げられる。06年度入試は新課程で行われるため、受験生の間では浪人を避けようとする傾向が強まり、併願校の増加につながった。併せて、国公立大学でセンター試験５教科７科目受験が定着し、これを嫌って敬遠する傾向も見られた。