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教育ジャーナリスト
豊島継男
教育ジャーナリスト、全国予備学校協議会教育情報主幹。1934年東京都生まれ。57年に埼玉大学文理学部（現在の教養学部）卒業後、（株）旺文社に入社。入試情報の分析や『蛍雪時代』の執筆などにあたる。84年に都内の中堅予備校であった（財）研数学館の教育情報部長に転職。00年に研数学館閉校に伴い、同年、豊島事務所を開設。現在、入試分析のほか、大学改革等についても執筆・講演を行っている。 |
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| 第１回 法学部 |
| この20年ほどの間に、大学にはそれまでにはない新しい分野の学部・学科が続々と誕生した。その一方で、文・法・経済・理・工といったいわゆる「伝統学部」については、様々な制約もあって、改革の歩みが遅かったことは否めない。しかし、これらの学部でも時代のニーズに合わせた変革が急務となっている。 本連載では、各分野の伝統学部がどのような問題を抱え、どう変わろうとしているのか探っていく。第1回は法学部を取り上げる。
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法科大学院の問題が表面化し、法学部志願者が減少
法科大学院設置構想が明らかになった02年度から03年度入試にかけて、法学部の志願者数は大きく伸びた。しかし、法科大学院が開設された04年度には一転して志願者数は大きくダウン。05年度もさらに減少した。なぜ法学部の人気が急落したのか。04年度の場合は法科大学院の設置に伴い、いくつかの国立大学や私立大学で法学部の募集人員を大幅に減らしたため、受験生が難化を敬遠して他学部に流れたことが主な要因であった。しかし、05年度は、当初受験生が抱いていた法科大学院に対する期待を裏切るような、様々な問題が表面化してきたことが大きい。
まず、法科大学院に進学するためには、共通試験である適性試験の受験に加え、各大学院が独自に行う試験に合格しなければならない。自分が在学する大学の法科大学院にエスカレーター式に入学できるわけではない。その上、法科大学院の学費は、一般の大学院に比べて高額だ。さらに、法務省の司法試験委員会の試算では、法科大学院を修了しても、06年度の新司法試験の合格率は50％程度に留まる。しかも、２年目以降は３年制の未修者枠で入学した受験者が加わる上、05年度に不合格となった受験者も再チャレンジするので、合格率はさらに下がるだろうと言われている。
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