オープンキャンパスの主役を担う
武蔵野大学

　武蔵野大学のオープンキャンパスは、2002年度から学生が中心になって企画・運営している。企画スタッフは10人前後で構成。本番前には、コンセプトをはじめ、各イベントやリーフレットのアイデアを出し合う企画会議を重ねる。「入試センターの担当職員も参加するが、あくまでもオブザーバー」と、入試センターの萩本英樹氏。職員は、学生が出した企画に沿って会場や予算を確保するなど、事務的な手配でフォローする。
　会場の設営や案内役を務める100人程度の当日スタッフを集め、シフトを決めて指示をするのも企画スタッフの仕事だ。終了後は、参加者から回収したアンケートを読みながら、反省会を開く。「まず良かった点を積極的にほめ、次回以降の課題もしっかり指摘する」。
　授業で学んだ知識を生かした心理テストコーナーの設置は、学生の発案。ほかに、「学内穴場スポット」でスタンプを押しながら回ると特典がつくスタンプラリーの企画も。夏休み開催時には、和の雰囲気で涼感を前面に出して「彩発見の夏」というキャッチコピーを入れたリーフレットを作った。

　企画スタッフには、作業に要した時間を自己申告してもらい若干の報酬を支払う。当日スタッフには日当を払う。
　武蔵野大学には、募集広報に協力を得る学生モニター制度があり、現在約400人が登録している。オープンキャンパスの企画スタッフも、入試センターがモニターの中から希望者を募る。３年生は就職活動で忙しいため、応募するのはほとんど１・２年生だ。組織を硬直化させないため、「学年による上下関係は一切なし」と決めている。リーダー役のマネジャーを１年生が務めることもある。マネジャーは、各担当のマニュアルを作り、入試センターとの連絡調整をする。
　オープンキャンパスは年に７回ほど開催され、そのたびに前回の企画スタッフの中から２人程度を残して入れ替える。当日スタッフとして活動した学生が、「今度は企画から関わりたい」と、応募するケースも多い。マネジャーを務めるのは原則として１回だけで、次回は続投スタッフがマネジャーになり、ノウハウを継承していく。