特集 「地域」という教科書

橋本 哲哉

金沢大学副学長
国立大学地域貢献ネットワーク代表

橋本 哲哉

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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【インタビュー】
金沢大学副学長
国立大学地域貢献ネットワーク代表
橋本 哲哉

連携を教育に生かすには組織的な取り組みが不可欠

地域社会との連携によって教育的効果を上げるためには、どうすればよいのか。それは、連携に取り組む大学に共通するテーマだ。国立大学26校が参加する「国立大学地域貢献ネットワーク」の代表を務め、金沢大学副学長として自らも地域との関係強化に取り組む橋本哲哉氏に聞いた。

学習意欲の維持が課題

―近年、地域との連携を積極的に進め、それを教育に生かそうと考える大学が増えています。なぜ、そのような取り組みが必要になったのでしょうか。

橋本 学生の質の変化への対応という側面が大きいと思います。従来は自学自習が基本で、勉強するかどうかは学生の自主性に任されていました。ところが、大学の大衆化が進み、様々な機会を提供して勉強してもらう努力をしなければ、学習意欲を維持することが難しくなってきた。そうした中、学生を大学の外に出し、社会の一員としての自覚を持たせることが、有効だと気付いたのです。
 一方で地域社会の側からも、大学が持っている知識や人材を社会に還元するよう求める声が高まっています。つまり、学生の質の変化に伴い、効果的な教育方法を生み出そうとする大学側の思惑と、社会の要望が一致した結果と見ることができるでしょう。


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