誌上セミナー 大学の財政と経営 第4回 受験生・学生・卒業生に対する支援サービスを見直そう

講師 丸山 文裕

(国立大学財務・経営センター研究部教授)
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 1/7 次ページ

誌上セミナー 大学の財政と経営

第4回
受験生・学生・卒業生に対する支援サービスを見直そう

(1)大学経営に「学生」支援をどう位置付けるか
(2)受験生に対する支援のポイント
(3)学生満足度を向上させるもの
(4)卒業生サービスのメリットは何か
(5)同窓会との連携における注意点
(6)キャンパス滞在時間と愛校心との関係
(7)滞在時間を長くするための工夫

大学の各部課では、教職員が学生に対する様々な支援を行っています。今回は、受験生への情報提供と卒業生に対するアフターケアも含めて、体系的に整理してみましょう。それによって、部課ごとに提供されてきた支援サービスを全学的な視点から見直し、より効率的、効果的に提供する一助にしていただければと思います。

(1)大学の教育使命を達成するための活動

 大学の使命は、教育、研究、そして社会サービスです。中でも教育は、国公私立を問わずほとんどすべての大学が担う重要な役割です。
 学生支援サービスは、教育の使命を達成するための諸活動と位置付けることができます。その中には、教育に直接関係するサービスと、学生の利便性、快適性を上げることによって学習効果を向上させる間接的なサービスとがあります。直接的支援の例としては、導入教育、学習を助けるカリキュラム、授業法、教材、チューターなどを挙げることができます。
 ここでは、後者の間接的学生支援サービスを中心に整理します。これは、在学中の学生だけが対象になるわけではありません。入学前の「学生予備軍」、卒業後の「元学生」も含めたトータルな「学生」支援活動です。入学前と卒業後のサービス提供は、先に挙げた教育使命の達成に加えて、経営資源への将来投資も目的となります。


  PAGE 1/7 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ