立命館大学は多様な入試方式を次々と導入し、受験者数の増加につなげた。同時に、受験生へ個別にアプローチを図り、第１志望にしてもらうための工夫をしている。第１志望者が増えれば優秀な学生の確保にもつながる。十数年前から全国各地で単独の大学説明会を実施し、地元以外の受験生に教職員が直接、語りかける機会を設けている。
　近年は、インターネットでの個別のアプローチにも力を入れる。大学ホームページ内に受験生向けウェブサイト「Rits Net」（図２）を開設し、特にニーズが高い情報に絞って提供。2005年度は約9700人が登録した。登録すれば自分専用のページができ、志望学部の最新情報や入試カレンダーが表示される。ここでは受験生の相談にも個別に対応。直接語りかけ、立命館大学を身近な存在として印象付けている。

　指定校推薦入試やAO入試で秋に入学を決めた高校生に対しても、専用ホームページを設定。合格者が入学前から交流できるようチャットを設け、入学前教育もホームページを通して行っている。大学が一人ひとりを大切にしているというメッセージを届け、入学前から帰属意識を高める狙いだ。 　「受験生と教職員がコミュニケーションを取り、大学の魅力を感じてもらうと同時に、入学後の学部・学科のミスマッチを減らしたい」と、入試センターの山本修司次長は強調する。