特集 全入時代シフトで成功させる大学ブランディング

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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情報共有・意見反映で参画意識を高める 〜学生・父母等との関係〜

 大学の財源は、学費に大きく依存している。「在学生と保護者は最大のステークホルダー」と、薬師寺副学長は強調する。学生を大学の構成メンバーとして位置付ける仕組みは、この考えを具体化したものといえる。
 1949年から続く「全学協議会」はその最たるものだ。理事会などの大学組織と学生が、大学運営の重要事項を話し合う。各学部の学生の要望は、「五者懇談会」を通して吸い上げる。
 「『黒板が見えにくい』などの要望を聞き、改善に生かす。学生の考え方をつかむことで、改革課題を見つけることもできる」と、薬師寺副学長。財政状況はキャンパス内とともに校友大会などでも公表。学納金に占める人件費・教育研究経費の割合などのグラフをパネルにして張り出す。人の集まる場で公開し、「情報を共有してほしい」という大学の「本気度」を伝える。大学づくりに対する学生の関心を高め、参画意識を引き出す仕掛けだ。
 父母等には、『父母教育後援会だより』で財政状況を公開。「教学を充実させることで社会的・公的な教育研究資金・資源を獲得するという財政政策を知ってほしい」と薬師寺副学長は述べる。運営の透明性を上げ、学生や父母等の信頼感につなげている。

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毎年、秋に行う「財政公開・大学公開」。学園の財政、教育研究活動についてパネルを使い、分かりやすく紹介している

 


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