特集 志望校はこう選ばれている

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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特集

志望校はこう選ばれている

 

高校生の進路決定までのプロセスや志望校選びに関する考え方が変化しているのではないか、と言われている。 そのために、大学には、従来の広報がうまく機能していないのでは、という戸惑いもあるようだ。
進路指導の現状と大学進学までの個々のプロセスを紹介し、それらの変化に大学がどう対応しようとしているのか、探る。

【全国13高校聞き取り調査】

職業観の育成にこだわらず
「やりたいこと」の自問と
学部・学科研究とをつなげる指導パターンも

◎志望校選びに大きな影響を及ぼすといわれる高校の進路指導は、今、どのように行われているのか。Between編集部では、大都市圏を中心に、進学校、進路多様校など13校の進路指導担当者に、指導の考え方と取り組み内容について聞いた。調査から見えてきた新しい傾向と、高校個々の取り組みをリポートする。

総括 「その学部・学科で学ぶ自分」を思い描けるリアルな情報の発信を

オープンキャンパスへの参加を1年次から勧める

 成績によって進路を振り分けていた「進学指導」は影を潜め、生き方や将来の職業を考えさせた上で自分で選ばせる「進路指導」が主流となっている。10年後の自分の姿を作文に書かせたり、インターンシップを実施したりと、多くの高校で将来像を描かせるための取り組みが積極的に行われている。
 従来いわれてきた進路指導のパターンは、1年次に職業研究によって進路観を育て、2年次に学問研究をして勉強したいことを決め、それを実現できる大学を3年次に探し、最終的には成績なども考慮して、受験する大学を決めるというものだ。
 しかし、今回の調査で、このパターンとは明らかに異なる高校が目立った。職業研究を重視せず、1年次に学部・学科研究をさせる高校や、志望校を書かせる高校は、半数に上った。敬愛大学八日市場高校、京都市立堀川高校などでは、1年次からオープンキャンパスに行くよう指導し、大学研究も始めているという。
 図1のベネッセコーポレーションの調査結果を見ても、高校1年次までに大学での専攻分野を意識したという学生は3割以上いる。進路指導パターンの変化によって、早くから大学・学部・学科を意識する生徒が増えているのだろう。

図1


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