図１に、専門学校全体の入学者数と医療系専門学校の入学者数の推移を示した。2006年度は、入学者全体の22％を看護、リハビリ、臨床検査などの分野を合わせた「医療系」が占めた。
　近年、大学の参入が目立つ看護師と理学療法士の養成校数は、図２のように推移している。看護系の大学は10年間で３倍に増えた。一方、看護系専門学校は、私立の新旧入れ替わりの中で閉鎖する国公立校もあり、微減傾向にある。理学療法士の資格取得を支援する大学は10年間で６倍に急増、専門学校も２倍に増えた。

　こうした中、看護系大学全体の志願倍率は、1999年度から2005年度にかけて、4.3→4.1→4.0→3.9→3.8→3.4→3.2（看護医療系受験総合予備校・新宿セミナー調べ）と下がり続けている。理学療法士養成の大学のうち志願者数を公表している分の志願倍率は、2004年度から2006年度にかけて11.1→9.2→10.4（同）となっている。
　新宿セミナー進学情報センターの田沢弘昭氏は、「大学と専門学校の両方に受かったとき、系列の病院があり、学費も安いことを理由に、後者を選ぶケースもある」と指摘する。
　病院など関連施設とのネットワークによる実習先の充実や就職支援が強みとなる医療分野では、特に新規参入組の大学にとって、実績のある専門学校との競合が続きそうだ。