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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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自己分析を中心としたキャリアプランニング

 入学直後に行われるガイダンスやオリエンテーションは、5日間の「フレッシュマンウィーク」としてまとめられている。
 「多くの大学では、ガイダンスを学部単位で行い、まだ高校生ともいえる新入生の視点に立って説明していないことが多いようだ。本学では、学生の協力を得てガイダンスを一新した。新入生に分かりやすい言葉で資料を作成し、説明は必要最小限の内容に絞り、残りは上級生や教職員が別の機会に補うようにするなど、ガイダンスが長時間にならないようにしている。また、45分間の『ミニ講義』を複数設定し、新入生が必要な授業を自分で選択する体験をさせている」
 同大学の初年次教育の2本柱は、春学期に設置されている「学習技術」と「キャリアプランニング」の必修科目だ(図4)。

図表

 「週1コマの学習技術は、大学の授業を受ける際に必要な、聴く、読む、書く、調べる、整理する、まとめる、表現する、伝える、考える、の9つの基礎的な能力を習得させることを目的とする。テキストは本学の高等教育研究所の研究プロジェクトが開発した、『知へのステップ――大学生からのスタディ・スキルズ』を使用している。全国180校以上が採択し、利用している。このテキストに従って、ワークシートに記入しながら実践的な『学ぶスキル』を身に付けていくわけだ」
 「キャリアプランニング」については、「自己分析を行ったり、学習や将来についてのプランニングなどを行ったりして、自分の小集団でのグループワークを通し、将来像やキャリアイメージの形成を目指している。学習記録を体系的にポートフォリオに蓄積させることで、振り返りを促しながら、在学中にすべきことを明確にさせていく。また、教育学部教育福祉学科と人間科学部人間心理学科では、5月末に韓国で3泊4日の異文化体験プログラムを行い、全員を参加させ、異文化に対する気付きを促し、それまでの常識の殻を破る体験をさせる。キャリアプランニングを通して、1年次の早い段階で『大学での学びの面白さ』に気付かせようとしている」


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