特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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S-cube活動がチャレンジ精神を後押し

図表

 これらの新入生向けのプログラムは、学生に好評だ。ぴあアドバイザーへの相談件数は増加し(29ページ図1)、フレッシャーズキャンプに参加した新入生から高い評価を得ている(図2)。エンパワーメントプログラム参加者へのアンケートからは、「他者からの力」「逃げない大切さ」「基本的態度」のいずれもが参加後に向上していることが分かる(図3)。

図表

 「ぴあアドバイザーは、初年次教育の視点から見れば教育リソースの1つだが、アドバイザー自身もその活動を通して成長している。この制度そのものが、大学における重要な教育になっている」(桂課長)
 大亦係長は、「何かに挑戦したいという学生の背中をポンと後押しするために、S-cubeでは様々な仕掛けづくりを行っている。これらは結果的に1年生にも有効に機能しているといえる」と語る。
 S-cubeの活動を初年次教育という観点から評価することは難しい。あくまでも大学生活全般に関する全面的な支援活動が中心であり、初年次教育として体系的に活動を組み立てているわけではない。S-cubeの活動は「大学コミュニティの創造」プロジェクトとして、2004年度の特色GPにも採択されているが、ここで目指しているのも、初年次教育ではなくコミュニティづくりだ。S-cubeは、様々なコミュニティづくりを通して、限られた人間関係の中に安住しがちな学生に対し、自律的な成長を促している。


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