調査分析

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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【Part1】大学に対する期待、評価、満足度の関係

学習への回帰傾向の中
期待も満足も低い層をどうケアするか

幅広く学びたい学生は増加している。
一方で、大学への期待値が低い層は、入学してからの満足度も低い。
大学は組織的に、入学時の期待を高める施策に取り組むことが重要である。

専門分野も教養も「学びたい学生」が増加

 大学に対する期待、評価、満足度の関係について、2006年に実施した調査との比較では、全体的に極めて大きな数値の差異は見られなかったが、いくつかの特徴が浮かび上がった。ここでは項目ごとに、設問への応答率が前回より10%以上増加した大学と10%以上減少した大学の2つの層を取り上げ、注目したい4点を報告する。
 第1に、「大学への進学理由」についての複数回答では、「幅広い教養を身に付けたいから」と回答した者が前回より10%以上増えた大学は、回答した学生が通う大学57校のうち23校だった(図1)。増加校は主に文・理系の学部を併せ持つ「総合系大学」で、学部系統によらない増加傾向だ。一方で、「好きな分野を勉強したいから」は、全57校中前年比10%以上増が6校に対して、前年比10%以上減は16校あった。「専門的知識や技術を身に付けたいから」は、16校で前年比10%以上増、9校で前年比10%以上減である。「好きな分野を勉強したいから」「専門的知識や技術を身に付けたいから」は、国立大学と私立単科系の大学で主に増えている。これらに加え、この2つの項目で増加傾向を示している私立総合系大学は、学びの内容の広報が充実していると考えられる。

図表


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