大学が「社会人基礎力」を育成するためには、この育成に関して大学よりもノウハウを持つ企業や地域社会との連携が不可欠だ。共同プログラムを開発できればさらに望ましい。
「ただし、扱うテーマがバーチャルではあまり意味がない。あくまでも現実に起きている問題を提示し、学生が向き合うことに意味がある。現実感のある課題だと、学生は意欲的に取り組む」。そのためには、教員の意識改革が必要だと諏訪教授は言う。
「アメリカの教育現場には“Teach me, I'll forget. Show me, I may remember. Involve me, I'll understand.”という言葉がある。これまで日本の大学の教員は“Teach”の部分しか考えていなかった。教育効果を上げるには、学生を参加させることが大切で、そうすれば学生も多くのことが腑に落ちる(understand)はず」
諏訪教授は、学生を参加させるためのノウハウを次のように語る。
「ある研究所の調査結果によれば、社会人の能力を伸ばすには、(1)これまでより少しだけ高い負荷や仕事を与える、(2)責任を少し大きくする、(3)人材育成を計画的な能力育成プログラムに組み込む、のが効果的だという」
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