「3つのキャンパスをどうまとめていくかは、今後の課題だ。新大学発足2年目となったが、共通教育はキャンパスごとに行われており、学生の交流
を促すためにも、今後、教養教育を同じキャンパスで受けられるようにしたいと考えている。しかし、組織や体制を整えるには、まだ時間がかかる」(西頭学長)
大学が学生交流の場としてまず期待しているのは、大学院や研究センターにおける研究の連携だ。2005年の再編・統合時に、同大学は和漢医薬学総合研究所(前身は和漢薬研究所)、生命科学先端研究センター(生命科学実験センターと実験実習機器センターを改組)を設置した。これらのセンターでは、大学院の学域を横断した形での共同研究が進められている。
「再編・統合によって、異なる研究科による連携がスムーズに行われるようになった。教員や大学院生も連携に対して熱心で、思いのほか人的交流が深まっている。新生富山大学としての新しい文化が生まれるならば、ここからだと思う」(西頭学長)
旧富山医科薬科大学は、再編・統合前の2003年度に21世紀COEプログラムに採択された「東洋の知に立脚した個の医療の創生」の事業や、和漢医薬学総合研究所と医・薬・工学部ならびに地域産業界と連携して開発した新薬などですでに実績を挙げている。こうした研究実績を通して、1つの大学としての結束が深まろうとしている。
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