特定の大学と高校で見られるような組織的な高大連携と併せて、これからは教員同士の個人的なつながりをベースにした「草の根の高大連携」が必要である。以下、そのための視点をいくつか挙げてみる。
(1)教員中心の交流
これまでは、大学の教員が高校教員の頭越しに高校生を指導してきた。しかし、これでは、教員同士の個人的なつながりが深まらない。教育接続の改善に向けての取り組みをさらに広げるためには、高校と大学の教員同士が個人的にもっと密接につながることが必要である。
(2)対等
大学が高校を「上から指導する」というのではなく、教育という同じ土俵の上で、共に知恵と汗を流す人間関係をつくりたい。一緒になって子どもたちを育てる「仲間」という関係を構築することが望ましい。
(3)双方向性
これまでは、大学が持っている(知的、物的)資産を、大学から高校へ一方的に提供するというスタンスであった。しかし、大学側が自学の教育を本当に良くしようと思うならば、大学の教員が高校の教員から学ぶべきことはたくさんある。高校が持っている教育の専門的知識を大学での教育に生かせないだろうか。双方の教育を充実させることを目的とするような活動を目指したい。
(4)自主的活動
上からのお仕着せや「周りがやっているから」というのでは長続きしない。教育行政や管理職には、教員の自主的な研修を支援する(少なくとも足を引っ張らない)という懐の深さを望みたい。
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