名城大学が同大学附属高校との「7カ年一貫教育」について検討を始めたのは2001年のことである。議論の発端は「付属高校との関係をどうするか」という点にあった。各学部、定員の1割が付属高校の推薦枠に充てられている。合計すると付属高校全生徒の50%に相当する。同大学「大学教育開発センター」の小山直毅主幹は、「これだけの高校生が進学するのであれば、高校で早期から名城大生にふさわしい学力や意欲を身に付け、学部の中心的存在となって大学を活性化してほしいという思いがあった」と話す。
折しも、同大学では人間学部の新設計画が持ち上がっていた。これを機に、同学部との一貫教育を前提として、付属高校に「国際クラス」を設置することが決められた。しかし、議論の段階で高校側には若干の戸惑いがあった。「人間学部」はまだ設置認可を受けていない上、聞き慣れない名称だったからである。教育目標・内容について大学側から説明を受けたものの、具体的なイメージをつかめないままカリキュラムを整備し、生徒募集戦略を練らなければならなかった。
約1年間、「高大一貫教育検討委員会」で検討を重ね、国際クラスの生徒は、名城大学人間学部への進学を前提として入学すること、進学の際は筆記や面接による試験を課さないこと、高校のカリキュラムに大学の科目を組み入れることなど、一貫教育に関する基本方針を定めた。2002年12月に人間学部の設置が認可され、翌年4月、付属高校の国際クラスも同時にスタートさせた。
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