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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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多様な経験を通して探究する心を養う

 名城大学人間学部は、心理、教育、社会、国際、コミュニケーションの5分野を柱として、人間や社会の在り方を追究する学際志向の学部である。「幅広い教養の修得」「人間性の追究」「グローバルマインドの養成」を教育目標に、「人間性豊かな実践的教養人の育成」を目指す。
 以上の理念に基づき、同大学附属高校国際クラスのカリキュラムは図1のように編成されている。特に力を入れているのが「グローバルマインドの養成」と密接に関わる英語運用能力、異文化理解の分野である。ネイティブの教員による英会話、ネイティブの留学生とのサマーキャンプ、3週間のニュージーランド研修など、生徒が英語でコミュニケーションをとれる場面を様々な形で設けている。また、3年次までに「英検2級、TOEIC470点の取得」を目標としている。

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図1

 これらの取り組みには、英語力向上のほか、生徒に「探究心」を身に付けさせるというねらいもある。サマーキャンプで同世代の外国人とともに生活することは、なかなかできない体験である。ニュージーランド研修では、事前事後の調べ学習やレポート作成が課せられ、現地で3週間、異文化の中で生活を送る。様々な活動によって生徒の知的好奇心を刺激し、学びへの意欲を高めさせようというわけだ。
 中心的役割を担って「7カ年一貫教育」を推進してきた人間学部の伊藤康児教授は、次のように話す。
 「自分で課題を見つけて、探究していく意欲や力がなければ、社会で活躍できる人材にはなれない。様々な体験を通して世の中や人間について知ることによって、探究心は養われる。国際クラスの生徒には、受験勉強をしなくても進学できるメリットを十分に生かし、高校3年間でできるだけ多様な経験をしてもらいたい」

図表


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