高校の実情に合わせた個別の
連携で高校生の実態を知る

　石巻専修大学は、地元公立高校の宮城県石巻商業高校、宮城県東松島高校とそれぞれ高大接続研究事業の協定を結び、2007年度に事業を開始した（表１）。同大学は、地元の公立高校12校の校長会と年１、２回の会合を開き、15年にわたって親交を深めてきた。今回の事業は、各校の校長と意見交換を続ける中で出てきた話である。坂田隆学長は次のように話す。
　「すでに行われていた出前授業は、高校生にとって、大学での勉強がどのようなものかを正しく知る機会にはなっていないという話を高校側から受けた。本学としては、初年次教育を今以上に充実させるために、高校生の実態を詳しく知りたかったが、単発の出前授業だけでは不十分であった。そこで、高校と大学の双方にメリットのある長期的な協定を設けることになった」