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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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高校は指導方針に合わせ公開講座を自由に活用

 教育ネットワーク中国の高大連携事業は、大学の正規科目を公開する公開授業と、高校生向けに作られた公開講座とで構成される(表2)。毎年2月中旬にウェブサイトなどのメディアで科目名や講義内容を公開し、3月中旬に教育委員会や私学団体を通じて受講者の出願を受け付ける。高校生に履修許可や受講上の注意が届くのは4月上旬。2007年度の科目数・受講者数は、公開授業が120科目・201人、公開講座134科目・2601人と、科目数・登録者数とも事業開始以来、年々増加傾向にある(図1)。

図表

 各大学が力を入れるのは公開講座である。広島大学の「先端医療は今」、県立広島大学の「母子看護入門」、広島経済大学の「経営学は企業とどんなかかわりがあるのだろう!!」、広島修道大学の「もっと知りたい世界と日本の政治」に人気が集まった。自学の特徴や個性をアピールできる機会とあって、高校生のニーズに応じたテーマを精選すると同時に、興味を引くよう講座名にも工夫を凝らす。登録者数の伸びは、講座数の増加、内容の充実化によるところが大きい。
 2007年度には、大学入学後単位認定する科目等履修生制度を始め、27人が登録した。
 公開授業・講座をどのように指導に生かすのかは、高校側の自由である。生徒の関心に応じて自由に講座を選ばせる高校もあれば、特定の科目を単位認定する高校もある。
 「高校の方針によって様々な形で活用できるのが本事業の良さ。大学の授業を体験させることにより、生徒の進学意欲を高めたり、複数大学の授業の受講を志望校選択の判断材料にさせたりと、高校も生徒の志望やレベルに応じて活用に工夫を凝らしている」と市川代表幹事は述べる。

図表

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