大分大学経済学部が「キャンパス大使制度」を始めた背景には、志願者数の連続的な減少があった。同学部入試委員長の宮町良広教授は、「根底には、単に志願者数を増やすというだけでなく、本学を第1志望とする志願者を中心に、たとえ併願先だったとしても納得して入学してくる学生を増やしたいという意向があった」と話す。
大学案内で提供できる情報には限りがあり、入学してから「大学案内と違う」と思われてしまうことがある。高校の進路担当教員や大学教員が話すよりも、実際に大学に通っている先輩の話の方が高校生にとって真実味があり、心に響くのではないかと考えたのである。
「アピールするだけでなく、リアルな情報を伝えなければ、本学を第1志望にする高校生は増えないのではないか」と宮町教授は言う。
お互いに本音を語り合ってほしいという思いは、高校側にとっても同じである。大分県立大分鶴崎高校進路指導主任の室義敏教諭は、「われわれ教員より現役の大学生の方が、経験を基に現実的な話をしてくれる。生徒の進学に対するモチベーションが上がるきっかけにもなる」と、「キャンパス大使」の訪問を歓迎する。
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