特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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 テーマ2:ポリシーをどう明確化するか

 Case4 大阪経済大学

アドミッション・ポリシーを
高校生の視点で表現

大阪経済大学は「アドミッション・ポリシーは高校生に読んでもらうもの」という考えの下、高校生視点の平易な表現を使い、ホームページなどで分かりやすく表示している。策定までの過程とねらいを聞いた。

「人間的実学」の理念を「つながる力」でアピール

 大阪経済大学がアドミッション・ポリシーを定めて、ホームページで公開を始めたのは2006年7月のことだ。2005年に出された中央教育審議会「我が国の高等教育の将来像(答申)」を受け、入試課が音頭を取って策定した。中教審の答申に背中を押される形での策定だったが、その後、さらに深化を遂げるべく、改訂作業が行われた。
 重森曉学長をはじめ学長補佐、経営本部長ら6人から成るプロジェクトチームが発足したのは2006年10月。大学の現状や課題などを洗い出し、大学の使命や位置付けを明確化。2007年5月に全学のアドミッション・ポリシーを構成するミッションステートメントと基本コンセプトである「つながる力」を定めた。それらを基に各学部のポリシーを策定し、2007年7月、ホームページに公開した。
 基本コンセプトとして「つながる力」を強調したのは、同大学の教育理念である「人間的実学」を高校生に分かりやすくアピールするという意図からだ。この理念には、人間同士のつながりが、実社会につながる能力を育て、学生自身の未来につながるという意味がある。同大学では1年次からゼミ活動を取り入れ、活発な討論、ゼミ単位での旅行やレクリエーションが行われるなど、伝統的に学生と教員の関係は深い。
 経済学部長の徳永光俊教授は「本学は、巨大なキャンパスや豊富な教育資産を持つ総合大学に比べると、スケールメリットは小さいかもしれない。しかし、本学には学生同士、学生と教員がいつでも顔を合わせられる環境がある。教育理念を『つながる力』として表現し、受験生に中規模校ならではのメリットもアピールしたいと考えた」と語る。。

経済学部のアドミッション・ポリシー
◎経済学部に入ればこんな事を学びます
   「つながる力って、何?」おカネ、モノ、情報、契約…いろいろな要素から出来上がっている現代経済のつながりを基本から応用まで、4年間で体系的に学習します。最後に卒業論文で、自分なりの経済のつながりをまとめてみます。
 「でも、大学で勉強するだけで、つながりって見えてくるの?」国内や海外での実習、企業や自治体でのインターンシップなどで、現場を体験しながら生きた経済のつながりを学びます。
 「経済っておもしろい。他にどんなつながりがあるの?」人は言葉でつながります。そして、思いやりや愛…経済を包み込む文化教養を、少人数の講義やゼミでコミュニケーションをとりながら、経済学部だけでなく全学の多様なカリキュラムで学んでいきます。


◎こんな人に経済学部に来てほしい
   年金、財政赤字、グローバル化。経済や国際問題など、いろんなことに興味がある。将来は難しそうだけど公務員になりたい。きっちり就職して、家族を安心させたい。高校までなんか不完全燃焼。大学に入って、もう一度リセットして勉強してみたい。なかなか友だちが出来なくてさみしかった。でも一人ぼっちじゃ生きていけない。経済学部のつながる力は、そんな皆さんの夢を形に変えていきます。
 そして、4年間のつながりの中で、皆さん一人ひとりの「つながる力」を育てていきます。経済と文化、日本と世界、人と自然、現在と未来、目に見えるものと見えないもの、これらをつなげて融合、統合させ、21世紀の新しいつながる社会をめざしてみませんか。ワクワク知的冒険の世界に飛び込む勇気のあるみなさん、経済学部に来てください。

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