意思決定の過程の変革と
教員参加の広報活動で活性化

　跡見学園女子大学は、2002年度にマネジメント学部を新設し、文学部と合わせて２学部体制となった。そのため、従来の「跡見イコール文学部」というイメージを払拭し、新たな大学像を浸透させる必要性から、広報戦略のあり方を抜本的に見直した。
　当時、広報を担当していた入試課の大坂晴美課長代理は、「それまでの広報活動は、人的にも予算的にも必要最小限に抑えていた。予算の確保と同時に、体制の強化から着手した」と、当時を振り返る。
　以前は、入試課の職員が企画の原案を作成し、教員による複数回の会議で調整していたため、実施までに多くの日数を要した。職員が斬新なアイデアを提出しても、会議を経ると、従来と大きく変わらない案に落ち着いてしまうこともあった。
　この改善に向けて、2001年度、入試広報活動と大学全体の広報活動に関連する意思決定について、「副学長―入試部長―入試課」「副学長―庶務課広報担当」という副学長をトップとする組織に再編し、過程を大幅に簡素化。副学長から伝えられた方針を基に、職員が具体的な企画を練り、それを副学長が検討した後、すぐに実行に移すことにした。こうして、小規模大学ならではの小回りの利く体制が生まれた。
　さらに、大学全体にかかわるＰＲ活動に力を注ぐため、庶務課に広報担当を設置。入試関連は入試課、大学全体にかかわるものは庶務課広報担当が担う組織に変えた。
　ただ、庶務課広報担当は１人としたため、こなせる業務が限られた。そこで、ＰＲ会社と契約して広報活動を広げていくとともに、企業のアイデアを取り入れて柔軟な広報活動の展開をめざした。