大学生が高校生に
好印象を与える話ができるように

　　大学の広報活動は以前と比べるとずいぶん活発になり、大学の情報を得るのもかなり容易になった。このことは大いに評価されてよいと思う。
　本校では、３年生全員を対象に大学教員による学部・学科別の体験講座を実施するが、この行事は、生徒が志望学部・学科を知る上で大変貴重な機会となっている。近頃は、このような取り組みに大学も積極的に協力していただけるようになった。
　高校訪問は増加の傾向にある。せっかく来ていただけるのなら、できるだけ具体的な情報があるとうれしい。他大学との違い（首都圏には同じような学部・学科編成の大学が多い）、就職や大学院進学の様子、本校卒業生の状況などである。
　最近は入試課の職員だけでなく、大学教員も来校されるようになった。研究の詳しい内容を知ることができるし、教員が本音を漏らしてくれることもあるので具体的な情報が入手できる。ただし、自分の所属している学科以外のことや入試の仕組みなどについては、あまりご存じないのではないかと思うこともある。
　入試の多様化は、受験生を確保するために仕方がないのであろうが、入試問題の種類が増えて、果たしてそれで問題の質の確保ができているのかが少し心配である。もし、入試にパターン化された問題が多くなれば、テクニックに長けた受験生が有利になり、大学側の望む、自ら考えることのできる学生が選抜されなくなるのではないだろうか。
　本校では、本校卒業生の大学３年生と１年生を呼んで話をしてもらったり、卒業間近の大学４年生に大学生活や卒業後の予定についてのアンケートを書いてもらったりしている。このような卒業生の声は、在校生にとって大変大きな影響力を持っている。また、オープンキャンパスなどで、大学生から説明を受けることも、良い刺激になっている。
　大学生が高校生に好印象を与えるような話ができるように、教育活動を充実させてほしい。余計な心配かもしれないが、教員が広報活動に忙し過ぎて、本業の授業に影響を及ぼすことのないように願っている。