調査企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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はじめに

学生の満足度を高める要素は何か、
大学で身に付いた力は何かを探る

学生は、自分が在籍する大学の教育内容にどの程度満足し、学生生活を通してどのような力が身に付いたと感じているのか。満足度を調査することによって、大学の「教育力」について検証した。

学生の意識を調査し広報資源の核を検証

 学生の学力低下という問題がますます深刻化する中、各大学は「教育力」を高める施策に力を入れ始めている。(株)進研アドは、大学とともに教育力について考え、「大学の教育力を正確かつ効率的に伝える」ことを通して、高校・大学の双方をつなぐ存在でありたいと願っている。
 「大学の教育力」を定義することは難しい。しかし、学生がその大学の教育内容や教育サービスに満足し、学生生活において、学問以外の力も身に付いたと評価すれば、学生にとってその大学の価値は高い。つまり、学生の「満足度」と「身に付いた力(成果)」のいずれもが高い大学は、「教育力の高い」大学だといえるのではないか。
 現状では依然として難易度による大学選びが行われている。しかし、選り好みさえしなければ、進学希望者のほぼ全員が大学に入れるという現実を背景に、高校生の価値観を基にした「その大学の教育内容と自分との相性」こそが、「難易度」に代わる大学選択の重要なカギになるのではないかという仮説を立てた。
 このため、今回は学生の「満足度」と「身に付いた力(成果)」によって「大学の教育力」を検証することを試みた。大学の教育内容に対する満足度と、学生生活を通して身に付いた力について、学生自身がどのようにその大学を評価しているのかを数値化し、それらが「難易度」や「入学定員」といった大学固有の条件とどのような関係にあるのかを探った。
 調査対象は、「学生生活で身に付けた力」を自己評価してもらうため、大学1・2年生を除き、「大学3年生」とした。全国の36の私立大学(4年制大学のみ)に協力を依頼し、その大学に通う3年生を対象にアンケート調査を実施した。また、国公立大学と私立大学とでは、教育・研究、キャリア教育など、様々な点で取り組みの内容が異なることを想定し、今回は私立大学のみを対象とした。
 学生は、自分が在籍する大学の教育内容にどの程度満足し、どのような力が身に付いたと感じているのか。それは、大学の「難易度」や「入学定員」などによって違いはあるのか。また、学生の「満足度」や「身に付いた力」が高い大学にはどのような特徴があり、どのような取り組みが行われているのか。
 この調査結果を、大学の今後の取り組みや広報活動に幅広く役立てていただきたい。

図

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