特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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CASE3 卒業生との連携

卒業生を対象とした追跡調査で
キャリア教育の成果を測定

金城学院大学


金城学院大学は、「キャリア開発教育科目」の拡充、教員や卒業生による個別相談など、総合的なキャリア支援体制をつくり上げてきた。
2006年度には、取り組みの成果を検証するために、卒業生対象の調査を開始。
専門職志向の高まり、自分に合う仕事を選ぶ学生の増加などの成果が見られる。

正課内外の取り組みで学生を総合的に支援

 金城学院大学がキャリア教育を強化した背景には、学生のキャリア意識の希薄さがあった。これは、2001年度に実施した学生満足度調査や、2005年度から実施している職業診断検査で判明。将来を肯定的に展望できず人生設計を描けない、卒業までに職業への関心が深まらないといった実態が浮かび上がった。2005年度実施の学生生活基本調査でも、「不安や悩みに感じていることは何か」という問いに対して、「就職や将来の進路」と回答した学生は77%と最も多く、2位の「自分の性格や能力」の34%を大きく引き離した。
 これらの調査結果を受け、学生が女性として自らの人生を主体的に開拓し、人生設計を明確にするための学習機会や、職業や人生について考える機会を提供する必要があることを学内で合意。段階的にキャリア開発の支援体制を整えてきた。
 2002年度には、共通教育科目として、女性のワークキャリアとライフキャリアについて学ぶ、4つのキャリアに関する科目を設置。2005年度にはこれを6科目に拡充して「キャリア開発教育科目」とし、キャリア教育の充実を図った。
 正課科目の整備を進める一方で、学生のキャリア形成を支援する正課外の体制も順次、整えた。専任教員が学習、就職から生活全般まで幅広く個別に指導する「アドバイザー制度」、就職活動を終えた4年生が下級生の相談に乗る「メンタリング」を始めた。さらに、キャリア開発の方法、自己分析や職業研究などの情報を網羅した教材「K-note」、職業診断検査・職業データベース等から成る「K-web」などを開発した。
 一連の取り組みは「個重視・女性のためのキャリア開発サポート」として、2006年度の現代GPに選定された。


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