東京農業大学

　企業に後れをとっている感のあった大学のホームページも、近年では、情報量やユーザビリティーなど、申し分のないものが多い。その一方、画一的で、大学ごとの個性が感じられないという声が聞かれる。
　その点、東京農業大学のホームページは個性的だ。多くの大学では、一般向け、受験生向け、在学生向けというように、対象者ごとに入り口を設けているが、東京農業大学のホームページには、「在校生・教職員の皆様へ」というボタンが付いているだけ。そして、上部に「学生ブログ」「学生が紹介！研究室」など、４つのナビゲーションが並んでいる。
　2006年度、受験生にターゲットを絞ったホームページにリニューアルし、コミュニティーサイトを設けた。担当者の芳野公一氏によると、それまでは、対象者別の入り口を設けていたが、かえって構造が複雑になり、改良の限界を感じたという。対象者を絞れば、ニーズに合わせやすい。また、受験生にわかりやすい構造・内容であれば、一般にもわかりやすいという確信があった。
　リニューアル前には年に40万程度だったＰＶ（ページビュー）が、今やコミュニティーサイトだけで月に100万近いこともある。特に宣伝しているわけではなく、口コミで広がっているという。