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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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ケアロジーの視点で学問横断的な科目に再編

 立正大学はブランドビジョンを教育内容に反映すべく、教養教育の改革に着手している。
 2009年度には、1年生を対象とする全学共通の必修科目「学修の基礎I」「学修の基礎II」(各2単位)を開設した。「学修の基礎I」は、前期の半年間、大学の歴史や建学の精神、日蓮や石橋湛山氏の人となり、大学での学び、キャンパスライフの過ごし方などを伝える自校教育だ。B5判103ページのオリジナルガイドブックを利用する。
 講義は、前期を通して特定の教員が担当するのではなく、原則としてすべての専任教員が1回以上、担当するオムニバス方式にした。これには、教員にも建学の精神と、それに基づくブランドビジョンを再認識してもらうという目的がある。
 後期の「学修の基礎II」では、「学修の基礎I」をふまえて、各学部の専門教育の内容へと導く。具体的な講義内容は各学部に委ねている。
 また、ケアロジーの視点から、「立正スタンダード」としての共通教養教育体系の大幅な再編成も進めている。人文・社会・自然の3分野という従来の枠組みを取り払い、学問横断的な科目設定を検討している。2010年度からの導入が目標だ。さらに、専門性を深めるための道具となる英語、日本語、情報処理の充実も図る。
 ブランドビジョン策定以降、学内外への浸透を図るための施策を次々と実施してきた。「日本人のモラルと教育」と題する公開フォーラム、体のケアや食のケアなどをテーマに各界の第一線で活躍する人を招いたスペシャル講義などが挙げられる。
 教職員を対象にした、各界の専門家による講義と、フリーディスカッションから成るビジョンミーティングも、年3回程度、開催している。
 2009年度は、新任教員への研修を新たに開き、建学の精神やブランドビジョンについて説明した。
 2006年からは、高校生向け、学生向け、教職員向けのビジョンブックの作製にも次々と着手、配付もしている。
 附属中学・高校とのブランドビジョンの共有化を図るとともに、モラリストの育成に向け、大学教員によるデリバリーカレッジなども展開する考えだ。


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