授業評価アンケートの目的として最も重視されているのは、学生の視点に立った授業改善を行い、教育効果を向上させることである。その過程において、教員としての資質や能力の向上も求められている。
しかし、実態としては、各教員にアンケート結果やコメント一覧をフィードバックし、その後の取り扱いについては教員に一任するケースが多い。一部の教員は、学生や自分のために、授業評価アンケート結果を基に積極的に授業改善を行っている。しかし、すべての教員をそこに巻き込むのは非常に困難であり、各大学とも頭を悩ませているのではなかろうか。
このような状況から、日本の大学においては、授業評価アンケートによって大きな教育効果を得たという事例は少ないといえる。
大学によっては、アンケートの結果に基づく教員評価や教員表彰制度(ベストティーチャー賞等)を導入しているケースも見受けられる。しかし、それにより、教員の授業改善に対するモチベーションや受賞のステータスが向上したという検証報告は、これまで、あまり聞いたことがない。
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