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Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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愛着度に影響する 友人や教員とのつながり

 母校への愛着度が高いグループは、在学中、何に熱心に取り組み、どのような体験をしたのだろうか。現在の愛着度の得点群別に4グループに分けて分析した。
 愛着度「9・10 点」のグループは、在学中に熱心に取り組んだことの中で、「資格を取得すること」以外のポイントが他グループに比べて高く、学生生活全般に積極的に取り組んだことがうかがえる。特に、「友人との交流」「専門的な知識や技術を身に付けること」「クラブ・サークル活動」などの6項目は、全体平均よりも10ポイント以上高い。
 次に、在学中に体験したことを見ると、「9・10点」のグループは、「一生付き合いたい友人ができた」「サークルやゼミで先輩・後輩と密な付き合いをした」「学内で卒業生と交流する機会があった」「恩師と呼べる先生ができた」などの8項目で、全体平均よりも10ポイント以上高い。
 一方、「0のグループは、在学中に熱心に取り組んだことが少なく、人間関係の構築に関する体験も概して乏しい。
 これらの結果から、学生生活に積極的に取り組み、先輩・後輩を含めた友人、教職員や卒業生などと密な人間関係を築いた学生ほど、母校への愛着度が高くなると考えられる。
 大学は、人間関係の構築や大学生活への充足感につながるさまざまな体験の機会を、教育面以外でも提供するよう努める必要がある。また、サークルやゼミを母体とする卒業生コミュニティーの結束を、単なる親睦から母校への貢献活動へと発展させるようなインセンティブもつくりだすべきだろう。

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現在の愛着度別 在学中に熱心に取り組んだこと
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現在の愛着度別 在学中に体験したこと

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