特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 1/17 次ページ

特別企画

広報のチャレンジ

大学の広報は多様化している。
受験生にとどまらない、さまざまなステークホルダーへの発信が必要であり、
インナーコミュニケーションも活発化しつつある。
伝えたいメッセージをめざす相手に確実に届けるためには、
従来の発想や手法にとらわれないチャレンジが
求められることもある。大学の広報における
さまざまなチャレンジを紹介する。

CASE1

大学のありのままを見せる
等身大の大学説明会


聖学院大学

聖学院大学では、大学説明会を「高校教員向けの
オープンキャンパス」と位置付け、「大学のありのままの姿」を
見せるための工夫をしている。広報の担当者が説明するだけではなく、
学生が高校教員のガイドを務め、授業も自由に見学してもらう試みが、
高校教員から高い評価を得ている。

ガイドの学生に「素直に伝えて」と助言

 聖学院大学は、約10年前から高校教員対象の大学説明会の会場をホテルからキャンパスに移した。交通の利便性よりも大学のありのままの姿を見てもらうことを優先したためだ。
 「すべてありのままを見てもらいたい。それが聖学院大学の広報の考えだ」と、山下研一広報企画部長は話す。
 「高校教員向けのオープンキャンパス」と位置付け、高校教員一人ひとりに学生がガイドとして付き、キャンパスツアーが行われる。学生には事前指導をせず、むしろ「大学の駄目だと思うところも素直に伝えればいい」とアドバイスをする。授業も自由に見学してもらう。
 「小さな大学だからこそできる入学前教育や少人数教育など、伝えたいことはたくさんある。キャンパスの様子、学生の姿、教員の講義する姿を見てもらい、大学の良さに気づいてもらうためのチャレンジだった」と、山下部長は振り返る。
 大学に自信がなければ、「ありのままの姿」を見せることはできない。聖学院大学は、「入って伸びる大学」を標榜し、面倒見の良さに自信を持つ。社会福祉士をはじめとする資格取得には、特に力を入れている。大学説明会では、このような環境で学ぶ学生の素の姿を見てもらい、大学の魅力を伝えたいというねらいがある。


  PAGE 1/17 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ