特別企画

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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大学が伝えたいことを教員が自らの視点で説明

 大学説明会で大学が一番伝えたいことは、教員が行う「特別講演」に凝縮されている。毎年、テーマは広報企画部が決めるが、内容は教員に一任している。「本学では職員と教員の距離が近く、普段から密なコミュニケーションを取っているため、広報として伝えたいことは、教員がしっかり理解してくれているという確信がある」と、山下部長は言い切る。
 2009年度は、学生部長を務める人文学部日本文化学科の清水均教授が担当した。テーマは、「聖学院大学のキャンパスサポートプラン」。専門の人文学を生かし、ストーリー仕立てで講演した。景気の低迷で、大学に行きたくても経済的理由で断念せざるをえないケースが増えているが、聖学院大学には経済的な支援が整っていると説明した。「大学に行きたい気持ちや可能性を閉ざさないでほしいというメッセージを伝えたかった」と清水教授は話す。
 教員が講演を行うことにより、教員の講義がおもしろい、こんな大学で生徒を学ばせたい、と思ってもらうねらいがある。大学説明会に訪れた高校教員が大学の公開講義を受講しに来ることもある。
 「生徒にはそれぞれ『合う大学』がある。高校教員には、偏差値だけではない新しい尺度で本学の良さを理解してもらいたい。この教育方針の下でなら伸びると思った生徒に、本学への進学を勧めてほしい」と、清水教授は強調する。
 山下部長は「1つの高校から多数ではなく、全国の高校から少しずつ学生が集まるようになった」と言う。 聖学院大学は、意欲的に大学生活に取り組むことのできる学生を見いだす方針を、アドミッション・ポリシーに掲げている。学生と教職員のありのままを見せる広報という挑戦は、高校教員から「わかりやすかった」「学生の案内が親切だった」などの評価を得ている。このような評価の高まりが、聖学院大学の良さに気づき、生徒に進学を勧める高校教員の増加につながることを、大学側は期待している。

写真
清水教授による特別講演の様子。経済的な支援をはじめとする学生支援について説明した。 大学のありのままを見せる等身大の大学説明会

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