IR 数値はこう読み解く

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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比較を可能とするGPAの型分類

 GPAを学内や大学間で比較が可能な指標とするためには、どうしたらよいだろうか。
 少なくとも専門分野ごとに、GPA算出のための分母の条件を統一する必要があろう。履修単位総数、CAP制、卒業要件単位、必修単位数などが異なると、比較が可能な指標とは言い難い。卒業要件単位数、CAP制などが、専門分野ごとに統一されていることが望ましい。
 現状のように異なる条件下でGPAを使用するのであれば、どのような算出方法かを必ず明記するか、算出方法によってA型、B型などと分け、どの型のGPAを使用しているかを明確にすることも考えられる。そうすれば、同じ型を使用している大学間での比較が可能となる。
 成績評価基準の問題も検討すべきである。学内での学部・学科間比較や大学間比較を行うのであれば、成績評価基準の設定が必要だろう。すなわち、GPC(1つの授業におけるGPの平均値)の設定である。成績評価のばらつきをなくし、適正な評価を実施しなければならない。「2.0±0.2以内」といったGPCの基準を設ける大学もあるが、GPAを有効活用するためには、全国的な基準を設定し、徹底することも必要となろう。
 GPAを使用する場合には、成績評価の基準が学部・学科や各大学の間である程度同じであること、同一あるいは類似の授業科目の難易度もある程度同じということが、前提となる。


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