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本間政雄

ほんま・まさお

名古屋大学法学部卒業。ロンドン・スクール・オブ・エコノミックス修了。旧文部省で総務審議官等を歴任。2001年京都大学事務局長、2004年理事・副学長。2007年立命館副総長。2010年1月立命館アジア太平洋大学副学長。


Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[テーマ1] 環境変化を競争力の源泉に

オピニオン 2

情報開示・質保証が可能にする
「努力する大学」「真に実力ある大学」の識別


立命館アジア太平洋大学副学長・国立大学マネジメント研究会会長 本間政雄

中退率や進路状況等の開示に向け検討

 大学の情報開示に向けた動きが加速してきた。中央教育審議会大学分科会の質保証システム部会が、「教育情報の公表の促進」に向けて、基本的な考え方と公表すべき情報の例、そして公表を実現するための政策手段について、2009年10月以降、積極的な検討を行っている。
 さらに、大学院部会の「国際的な大学評価活動に関するWG」では、「国際的にも見劣りしない教育研究への取組を示すことを通じて、大学教育の国際競争力の向上を図る」観点から、18項目を別途挙げている(図表参照)。
 これらに加え、財務・経営に関する情報公開の促進のために、大学規模・大学経営部会では、「法令による一律の義務化」を含めた検討を行っている。
 ちなみに、国公立大学には、中期計画・年度計画、業務実績報告書、財務諸表・事業報告書・決算報告書、監事および会計監査人の意見を記した書面、役員の任命・解任、役員の報酬等の支給基準・職員の給与および退職手当の支給基準の公表が義務付けられている。これに対し学校法人には、学生など利害関係者から請求があった場合のみ、事業報告書・財務諸表・監査報告書の閲覧が義務付けられているに過ぎない。

図表:公開対象として検討されている情報の項目例

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