特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 24/55 前ページ  次ページ

IR

求められる教職協働と学長・学部長の統率力

 自己点検・評価などで収集した情報を分析・管理し活用するIR(Institu-tional Research)への取り組みは、大学改革のために必要不可欠である。IRの必要性を5段階で聞いたところ、「とても必要である」は39.0%、「まあ必要である」は38.9%だった。設置区分別に見ると、私立大学のほうがより必要性を感じている。
 IRの必要性と自己点検・評価で今後重視する情報を見ると、IRの必要性を感じている層は、入学時の学力、出欠席、成績、学習成果、就職などの情報の重視度が高く、より確実に学習をさせ、能力を高め、就職に結びつけるという意識が強い。

図表5:IR促進のための重要施策

 図表5のIRへの取り組みを促進するために重視する施策を見ると、「教員の意識改善」が最も高く、改革土壌の形成に関する項目が高い。教職協働でIRに取り組むために、教職員間の壁を取り払い、職員と教員がIRに対等に取り組む環境づくりが必要である。そのためには学長のリーダーシップが重要になるが、調査結果でも「学長・学部長のリーダーシップの強化」の重視度は高く、教学責任者のマネジメント力が求められている。情報基盤整備にかかわる項目も重視度が高い。散在している情報を一元的に管理し、誰もが容易に取り出せるシステムを構築することは、IRに着手する初期段階で必要な取り組みといえる。


  PAGE 24/56 前ページ  次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ