特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[テーマ2] 現状から大学の課題を探る

高校の意識

「大学で何ができるようになるのか」
教育内容と社会的評価を重視


「進路指導・キャリア支援教育に関する意識調査」より

(ベネッセ教育研究開発センター)

高校は大学に対し、どのような情報提供、教育改革や高大連携を求めているのか。
大学選択指導を担当する高校教員の意識調査の結果から明らかにする。

大学生活、学生支援の重視度がアップ

  高校教員が大学選択指導のために重視する情報は、「A・教学内容にかかわる情報」「D・卒業生に対する社会的評価」「G・入試選抜にかかわる情報」だ。重視度はいずれも肯定率(とても重視する+まあ重視する)が70%を超える。
 特に、「A・教学内容にかかわる情報」のうち「1・生徒の興味・関心にあう勉強ができるかどうか」は肯定率が96%と、ほぼすべての高校教員が重視する。また、「D・卒業生に対する社会的評価」の「22・卒業後の就職状況」、「G・入試選抜にかかわる情報」の「12・入試の難易度」の肯定率も、ともに90%近くに達する。大学選択指導では、「入試」「教育内容」「社会との接続」という総合的な情報が重視されていることがわかる。
 2004年に行われた前回の調査結果と比較して重視度が高いのは、「H・雰囲気と大学生活」だ。中でも、「26・伝統や知名度などに見られる大学のステータス」(2004年51%→2009年60%)、「28・学風」(同37%→同50%)と、いずれも10ポイント前後高い。また、「F・学生生活支援」の「24・学生生活の実態」も、2004年36%→2009年50%と14ポイント高い。学生が毎日を過ごす環境について、情報のニーズが高まっているといえる。
 「F・学生生活支援」の「29・奨学金制度などの充実度」の肯定率も2004年51%→2009年64%と、13ポイント高い。経済状況の悪化により進学にかかわる保護者の経済的負担がますます大きくなったことを、高校教員は十分認識していることがわかる。

図表1:大学選択指導のために教員が重視する情報とその把握度

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