特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[テーマ3] 大学事例から新しい競争力を考える

CASE3

社会との接続に向けて
4年間で最大限の伸びを実現


山梨学院大学

山梨学院大学では、目標設定を促すコース制、社会で必要な能力を育成するカリキュラム、資格取得支援、就職・キャリア支援プログラムなどを通し、社会との接続を見据えた学生の成長を最大限助長している。

社会との連携による教育を重視

 山梨学院大学の入学案内には、「入学時の偏差値よりも卒業偏差値、成長力を大切にしている」と書かれている。学力に自信がない学生、目的意識が希薄な学生であっても、卒業までに最大限の伸びを助長し、必要な資質を身に付けさせたうえで社会に送り出す、との宣言といえる。
 そのための具体的な方針として、社会や企業との連携を掲げる。教育の中に社会、企業との接点を取り込んで自分の将来をイメージさせ、大学での学びを社会と結び付けて意味付けることが重要という考えだ。
 目的意識が芽生えた学生への支援ともいえる公務員対策講座の充実ぶりは、よく知られている。入試センターの山岸貞夫事務局長は、「大都市圏では就職のためにダブルスクールで学ぶ学生も多いが、そんなことをしなくてもいいように大学の中ですべて学べる環境を整えるべきだし、地方の大学でもその力はある」と話す。
 就職・キャリア支援プログラムの一つである「自分『彩』発見セミナー」では、目標が定まらない学生を対象に、キャリアカウンセラーが独自のプログラムに基づく自己分析やグループディスカッションを実施。自身の興味・関心や価値観への気付きを促す。
 学生とOB、OGとの交流会や職場見学なども実施。社会で活躍する先輩との交流を通して将来への具体的なイメージを抱かせ、意欲的な姿勢を引き出すことが目的だ。
 目標が定まっている学生の希望を実現に近づけるための就職活動支援だけではなく、モチベーション形成など、前段階をサポートすることで、「卒業偏差値」の土台を固める。


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