リーダーズマインド

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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持続可能な社会の構築をめざした研究を推進

安永 東洋大学は、2006年度から東京大学や京都大学などが中心となって推進するIR3S(Integrated Research System for Sustainability Science、サステイナビリティ学連携研究機構)に加わり、サステイナビリティ(持続可能性)の研究を進めてきました。研究成果を学内にどのように還元するお考えですか。

竹村 IR3Sは、環境問題、エネルギー問題や貧困問題などの地球規模の課題を、サステイナビリティの観点から学際的に研究するビッグプロジェクトです。
  中でも、本学は哲学を基盤とする大学として、哲学・社会学をはじめとする研究者による「東洋大学『エコ・フィロソフィ』学際研究イニシアティブ」を発足させ、現代と未来の世代の共生をめざす「エコ・フィロソフィ」の確立に取り組んできました。研究成果は、研究年報やシンポジウムなどで社会に発信すると同時に、全学部で受講できる全学総合科目「エコ・フィロソフィ入門」で学生にも還元しています。

安永 大学の社会的責任の観点からも大きな意義がありますね。大学全体でどのように対応されますか。

竹村 大学の社会的責任というとき、多くの場合、受験生、在学生、保護者、卒業生などのステークホルダーに対して、いかに説明責任を果たすかということが重視されます。本学は、それに加え、社会全体に貢献する視点を持ちたいと考えています。
  サステイナビリティの追究は、10学部を擁する総合大学としての強みを十分発揮できる分野でもあると考えます。現在、理工学部の教授らが二酸化炭素の削減や固定化、省エネルギー技術の開発などに取り組んでいます。持続的な循環型社会の制度設計には、経済学部を中心に経営学部、法学部、総合情報学部などが貢献できるでしょう。個人のライフスタイルをどのように変えるのかという観点ではライフデザイン学部、国際地域学部などが、エコ・フィロソフィの分野では文学部や社会学部の活躍が考えられます。
  今後も、東洋大学の知を結集して、この課題に取り組んでいきたいと考えています。


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