大学ブランディング成功への道
小出正三

ブランディングコンサルタント

小出正三

こいで・しょうぞう◎1987年、国際基督教大学教養学部卒業。(株)大広、(株)マッキャンエリクソン勤務などを経て、2000年にブランドマネジメント専門のコンサルティング会社・ブランドロジスティクス(有)を設立。トップ企業から新進ドットコム企業、公共団体まで、幅広い顧客のブランド開発に携わる。


Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
  PAGE 1/5 次ページ
大学ブランディング成功への道 - 企業の発想・手法を超えて

1.

多様な連携で新たな価値を創造する
「集まりブランディング」をめざそう

ブランド力の向上は、すべての大学にとっての課題といえる。大学だからこそできる新しいブランディングとはどのようなものか。企業のケースに学びながら、企業を超える発想と手法を探る。

チャート図

製造業以外のブランドを育てきれない日本

「ベスト・グローバル・ブランド100」の上位10社とランクインした日本企業 アメリカのビジネス誌『Business Week』は毎年、『ベスト・グローバル・ブランド100』を発表している。世界のブランドを、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」でランク付けしたものだ。
 日本のブランドは、2009年のリストで7件。いずれも創業半世紀以上の製造業(しかも自動車、電機に集中)である。「モノづくりこそがブランディング」と日本で考えられるゆえんであろう。実際、経済産業省や地方自治体のブランド支援も、モノづくりへの支援(製造装置やプロダクトデザイン)が主流である。しかし、そのようなブランディングは本当に有効なのであろうか。
 ここでは、ランクインした7ブランドが、なぜ世界的ブランドになり得たのか(Made in Japanのすべての製造業が成功したわけではない)を考えたい。さらに、これらに続く日本ブランドがどうして出てこないかも考える。アメリカでは、非製造業や新進企業など多様なブランドが新しい価値を提案している。それをヒントにしながら、これからのブランディングのあり方を考えたい。


  PAGE 1/5 次ページ
目次へもどる
大学・短大向けトップへ