アメリカのビジネス誌『Business Week』は毎年、『ベスト・グローバル・ブランド100』を発表している。世界のブランドを、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」でランク付けしたものだ。
日本のブランドは、2009年のリストで7件。いずれも創業半世紀以上の製造業(しかも自動車、電機に集中)である。「モノづくりこそがブランディング」と日本で考えられるゆえんであろう。実際、経済産業省や地方自治体のブランド支援も、モノづくりへの支援(製造装置やプロダクトデザイン)が主流である。しかし、そのようなブランディングは本当に有効なのであろうか。
ここでは、ランクインした7ブランドが、なぜ世界的ブランドになり得たのか(Made in Japanのすべての製造業が成功したわけではない)を考えたい。さらに、これらに続く日本ブランドがどうして出てこないかも考える。アメリカでは、非製造業や新進企業など多様なブランドが新しい価値を提案している。それをヒントにしながら、これからのブランディングのあり方を考えたい。 |