特集

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[現状3]

受験生による推薦・AO入試選択の背景と
入学者の意識・特性


ベネッセ教育研究開発センターが実施した複数の調査の結果から
推薦・AO入試に対する高校生、保護者、高校教員の意識を把握することができる。
そこに分析を加え、文部科学省が打ち出す方針もふまえ、推薦・AO入試の方向性を考える。

推薦・AO入試による入学希望者は増加傾向

 年々拡大してきた推薦・AO入試だが、この入試方式での入学を希望する高校生と保護者はどのくらいいるのだろうか。2009年11月にベネッセ教育研究開発センターが実施した「高校生の学習・生活と卒業後の進路に関する調査」(高校生・保護者調査)から考察する。

図表1:希望する入試方式

 図表1は、高校生と保護者が受験を希望する入試方式を示したものである。高校生は「推薦・AO入試の利用を、すでに決めている(すでに利用した)」が17.5%、程度にかかわらず関心のある者は30.3%で、合計すると47.8%と、半数近くに達する。一方、推薦・AO入試で合格してほしいと思う保護者の合計は37.9%で、推薦・AO入試がスタンダードな入試方式になったことがわかる。
 推薦・AO入試の希望者数の変化を、2010年3月に実施した「高等学校からみた大学改革の課題に関する調査」(高校教員調査)から見る。

図表2:高校生の入試方式の選択に関する変化(5年前との比較)

 図表2は、5年前と比べた受験に関する高校現場での変化から、入試方式の選択について抜粋したものである。「指定校推薦入試を希望する 生徒が増えた」の肯定率(「増えた」「やや増えた」)は41.2%、「公募制推薦・AO入試を希望する生徒が増えた」は66.2%と、指定校推薦・公募制推薦・AO入試希望者が増えていることがわかる。


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