特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[CASE1]

AP、選考方法、入学前後の教育に
一貫性を持たせたAO入試


広島経済大学

広島経済大学は、教育目標に基づいて導入している課外活動を活性化するため、
AO入試を実施している。独自のプログラムについての理解を促し、
参加意欲を高めるための、選考プロセスや入学前教育に特長がある。

けん引役となる学生をAO入試で選抜

 広島経済大学がAO入試を導入したのは2008年度で、他大学に比べて遅かった。入試広報室の髙田義典室長は「導入については何度も検討したが、学力低下などさまざまな問題が指摘される中、明確なアドミッション・ポリシーもなく導入するのは本末転倒と考えた。1967年の開学以来、一度も定員割れを起こしておらず、学生確保を目的に導入を急ぐ必要もなかった」と語る。
 AO入試を導入するきっかけとなったのは、2006年度に始めた「興動館教育プログラム」だ。このプログラムは、大学の教育目標である「『ゼロから立ち上げる』興動人の育成」に基づく。自由選択科目群の「興動館科目」と、課外活動の「興動館プロジェクト」が柱となる。「興動人」を「既存の価値観にとらわれず、ゼロからものごとを考え、失敗を恐れず、多くの人と協働して『何か』を成し遂げる人材」と定義。プログラムは、その興動人に必要な「人間力」の育成をめざしている。
 AO入試は、興動館プロジェクトを活性化するための入試として導入された。「他の学生のけん引役となってプロジェクトを活性化できる人材を選抜するには、従来の入試よりもAO入試が適していると考えた。『興動館入試』と言ってもよい」と髙田室長は述べる。


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