しかし、少子化の影響は避けられない。県は、県内の大学が競い合うように学生を集めては、やがて疲弊してしまうのではないかという危機感を持った。各大学が個性を発揮しつつ連携し、県としての総合的な教育力や発信力を高めていくべきだと考え、1999年に「いしかわ大学連携促進協議会」を発足。まず短大間の単位互換事業を始めた。2003年には、参加校を県内の全高等教育機関に広げ、旧県庁舎新館内の教室で教員が教養教育の授業を行う「いしかわシティカレッジ」を開始。翌2004年度の現代GPに選定された。
県は、連携のさらなる強化に加え、大学と地域社会を結びつけて地域活性化を図ることを目的として、2006年にいしかわ大学連携促進協議会を「大学コンソーシアム石川」に発展させ、運営主体を県から高等教育機関に移管した。初年度は旧県庁舎新館内に事務局を設置し、2007年度からは毎年約3000万円の予算を計上して事業を支援。2010年度には、県が20億円を投じて旧県庁舎本館を改装した「石川県政記念しいのき迎賓館」に事務局を移転。迎賓館には最先端のICT機器を持つ教室やセミナー室も備える。
2008年度には、「大学コンソーシアム石川を中心とした共通の教養教育機関とICT教育支援体制の構築」事業が、文部科学省の「戦略的大学連携支援事業」に選定された。翌年、テレビ会議システムや「UCIポータル」などを導入してICT化を推進し、これをサポートする「e教育支援センター」も設置。このほかにも多様な活動を展開し、教育活動の充実と一層の地域活性化をめざしている。 |