特集
戸崎肇

とざき・はじめ

1963年大阪生まれ。京都大学経済学部卒業。日本航空勤務後、帝京大学、明治大学を経て現職。博士(経済学)。主な著書に『図解 これからの航空ビジネス早わかり』(中経出版)など。

Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[連携の形 2]

観光教育における産学官連携で
カリキュラムモデル案を策定


早稲田大学アジア研究機構教授 観光庁「観光関係人材育成のための産学官連携検討会議」観光経営マネジメント教育に関する産学官連携実践ワーキンググループ委員  戸崎肇

観光産業界のニーズに対応していない大学教育

 近年、観光関係の学部・学科の開設が活発である。2010年4月時点で、観光関係の学部・学科がある大学は43、入学定員は4877人にも上る。しかし、大学での教育が観光産業界からの人材面での需要に適切に対処できているとは到底言えない状況にある。実際、観光関係学部の卒業生のうち、観光関係分野に就職した者の割合は、2007年3月調査段階で約23%にとどまっている。
  大学の観光教育を国際的に見ると、基本的に「人文・社会科学系」「地域づくり系」「ホスピタリティ系」「経営系」という4つの分野が存在する。日本では主に「地域づくり系」「ホスピタリティ系」の教育が行われており、観光を実学としてとらえ、経営について学ぶ「経営系」はアメリカなどに比べて大きく出遅れている。その結果、観光にかかわる人材について、大学側の供給と観光産業界の需要の間に大きなギャップが生じている。


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