特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[CASE 1]

学生が企画・指導する職場体験で
中学生のキャリア意識を向上


富山大学

富山大学では、中学生の職場体験にインターンシップを終えた学生を派遣し、サポートしている。
学生の企画したプログラムで、学生と触れ合いながら学ぶことにより、職場体験が充実。
中学生が大学進学について考える契機にもなっている。

中学での職場体験が大学に継承されない現状

 富山県では、1999年度から県内の全公立中学校の2年生に、5日間の就業体験を義務付ける「14歳の挑戦」を実施している。会社や工場、商店、農業、公共施設などでの職場体験を通して、規範意識や社会性、勤労観を高めることがねらいだ。地域社会全体で若者を育成するという理念の下、中等教育段階のキャリア教育の柱と位置付けている。
  ところが、富山大学が2007年に大学3年生を対象に行ったキャリア意識についてのアンケート調査によると、「やりたい仕事が決まっているかどうか」についての回答と、「14歳の挑戦」による就業体験の有無との間にはほとんど相関がみられなかったという。
  キャリアサポートセンターの山田豊主査は、「『14歳の挑戦』は、中学生の自立心や勤労観を養ううえでは効果を上げているが、一過性のものに終わっており、職業選択に向けた視野の広がりや意識の向上につながりにくい。中学校での体験を大学段階まで発展的に継承させる必要があると感じた」と述べる。
  こうした課題をふまえ、中等教育段階におけるキャリア教育との接続を図るために2008年度から始めたのが、「富大流人生設計支援プログラム」だ。同年度に文部科学省の学生支援GPにも選定された。

学校種間で接続・連携する長期循環型インターンシップモデル

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