特集
Between(株)進研アドが発刊する高等教育のオピニオン情報誌
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[CASE 2]

企業人がFDチームに加わり
教育計画の立案や指導に関与


長岡大学

長岡大学は、産業界や地域の課題解決を通して実践的な力を高める
教育プログラムを取り入れている。「FDチーム」のメンバーである企業人が、
学生や教員に助言するユニークなシステムが特徴だ。

民間企業出身の学長が教育改革を主導

 長岡大学は、経済経営学部のみの単科大学で、環境経済学科と人間経営学科がある。2004年に就任した民間企業出身の原陽一郎学長の下、「ビジネスを発展させる能力と人間力を鍛える大学」を基本理念に掲げ、産業界のニーズに対応した人材の育成を進めてきた。
  背景には、産業界が求める人材と大学が育成する学生との間に生じるギャップがある。原学長は、「本学の学生は地元志向が強く、9割以上が新潟県内の企業に就職する。しかし、教育プログラムが、地元産業界が必要とする人材の育成に必ずしも対応しておらず、社会人としての基礎的能力や人間力に欠ける学生も増えている。企業と大学の間にある溝を埋め、産業界の期待に応える教育が必要だ」と語る。  
  こうした課題意識の下、2005年度にスタートしたのが、地元の企業人が直接授業にかかわる「産学融合型専門人材開発プログラム−長岡方式−」だ。地域の企業が必要としている力を身に付けた人材の育成をめざす、実践的なプログラムである。このプログラムには、3つの柱がある。

産学融合型専門人材開発プログラム─長岡方式─(2008年度)
  1. ビジネス展開能力開発プログラム
    少人数ゼミでビジネス現場の課題の解決に実践的に取り組み、企画力・提案力・人間力を育成する。
  2. 資格対応型専門教育プログラム
    「環境経済コース」「経営戦略コース」など、各学科に設けたコースごとに、ビジネス現場で必要とされる専門知識とスキルの修得により資格取得をめざす。
  3. 産学連携実践型キャリア開発プログラム
    「起業家塾」「インターンシップ」や「ボランティア体験」などの、現場体験型の実習科目、企業人の講師による実践的講義を通して、ビジネス現場について理解させ、職業に就くための動機付けを行う。

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